ピラティスで本当に痩せる?効果や期間を熟練トレーナーが徹底解説!
- 貴広 大井
- 11月9日
- 読了時間: 6分

はじめに
「ピラティスで本当に痩せるの?」そう感じたことはありませんか?
最近ではInstagramやYouTubeでも“ピラティスで引き締まった”という声をよく目にします。
しかし、「有酸素運動のように脂肪を燃やすの?」「筋トレほどハードじゃないけど効果はあるの?」と疑問を持つ方も多いはずです。
そこで今回は、最新の研究や専門的なデータをもとに、ピラティスがダイエットにどのように作用するのかを詳しく解説します。
「痩せる仕組み」から「どれくらい続ければ効果が出るのか」「注意すべきポイント」まで、すべて整理してお伝えします。
ピラティスとは?
ピラティスは、ドイツ出身のジョセフ・ピラティス氏が考案したエクササイズです。
リハビリを目的として誕生し、呼吸・姿勢・体幹・連動動作を重視して全身を整えていきます。
筋トレや有酸素運動のように「強く動く」「たくさん消費する」ことを目的とせず、
“体を正しく動かす”ことに重きを置くのが特徴です。
つまり、ピラティスは「見た目を変える」より先に「体の使い方を変える」運動です。
結果として、姿勢が整い、代謝が上がり、自然に脂肪が燃えやすい体質に近づいていきます。
ピラティスがダイエットに効果的な理由
① 体重・体脂肪・BMIの改善が報告されている
研究によると、ピラティスを継続的に行うことで、体重・体脂肪率・BMIの改善が見られることが示されています。
特に、過体重や肥満の成人を対象とした複数の研究で、「平均2〜3kgの減量」「体脂肪率の4%前後の減少」などの効果が確認されています。
また、姿勢や筋バランスの改善が加わることで、同じ体重でも“見た目の引き締まり”が大きく感じられる傾向があります。
② 関節に優しく、続けやすい運動
ダイエットで重要なのは「継続」です。
ピラティスは、ランニングや高強度トレーニングに比べて関節への負担が少なく、呼吸と連動した動きで体を整えるため、初心者でも続けやすいという特徴があります。
膝や腰に不安がある方、運動が苦手な方でも無理なく取り組める点が、長期的なダイエット成功につながる大きな要因です。
③ 呼吸で自律神経を整え、脂肪燃焼効率を高める
ピラティスでは「胸式呼吸」を使い、吸う・吐くのリズムに合わせて体を動かします。
この呼吸法は、肺を大きく使い、酸素をしっかり取り込むことで脂肪燃焼をサポートします。
さらに、呼吸によって自律神経のバランスが整うため、ストレスによる暴食や睡眠不足を防ぐという副次的効果もあります。
心と体の両面から“痩せる習慣”を作れるのがピラティスの大きな魅力です。
④ 体幹強化で“燃える体”をつくる
ピラティスの動きは一見ゆるやかですが、深層の筋肉(インナーマッスル)をしっかり使います。
特に腹横筋・骨盤底筋群・多裂筋などを鍛えることで、代謝が下がりにくい体になります。
つまり、ピラティスで得られる「体幹の安定」は、単に姿勢をよくするだけでなく、脂肪が燃えやすく、太りにくい体質をつくるという効果も期待できるのです。
ピラティスで痩せるまでの期間・頻度・効果の目安
期間 頻度 期待できる効果
1〜4週間 週2回程度 → 姿勢改善、体の軽さ、筋肉の柔軟性アップ
5〜8週間 週2〜3回 → 体脂肪率減少、体重2〜3kgの変化
9〜12週間 週3回以上 → 体の引き締まり、腹部・太ももラインの変化
3ヶ月以降継続 → 代謝の安定、太りにくい体質への移行
※個人差あり。体重より「見た目の変化」「服のフィット感」「姿勢の変化」に注目するのがポイントです。
注意すべき点
① ピラティスだけで劇的に痩せるわけではない
ピラティス単体では、1回あたりの消費カロリーは100〜250kcalほどとされています。
これはウォーキングに近い数字です。
そのため、「食事を全く見直さずにピラティスだけで10kg痩せる」といった劇的な結果は現実的ではありません。
ただし、ピラティスによって姿勢や筋肉バランスが整い、日常の消費エネルギー(NEAT)が増えることは研究で示されています。
つまり、間接的には“太りにくい体”を作るのに非常に有効なのです。
② 指導者・内容によって効果が大きく変わる
同じピラティスでも、内容や強度、フォームの精度によって効果は大きく異なります。
例えば、マットピラティスよりもリフォーマー(マシン)を使ったピラティスのほうが消費カロリー・筋肉刺激ともに高く、体組成の変化が大きいというデータもあります。
正しい呼吸とフォームを意識できていない場合は、単なるストレッチになってしまい、効果が出にくいこともあります。
③ 食事管理・生活習慣が伴ってこそ結果が出る
どんなに良い運動でも、摂取カロリーが消費を上回れば体重は増加します。
ピラティスで「消費する」よりも、「整えて燃やす力を上げる」と理解し、食事内容を整えることが大切です。
特に意識したいのは、
タンパク質の摂取量(筋肉維持のため)
炭水化物・脂質の質とタイミング
睡眠・ストレス管理
これらを組み合わせることで、ピラティスによるボディラインの変化がより明確に出やすくなります。
ピラティスダイエットを成功させる3つのポイント
1. 「体重」より「体のライン・姿勢」で変化を感じる
ピラティスでは筋肉が引き締まり、骨格が整うため、体重の変化が小さくても見た目が大きく変わります。
特にお腹・背中・太ももなど“姿勢を支える部位”が引き締まるため、服のシルエットが美しくなります。
2. 有酸素運動と組み合わせる
ウォーキング・軽いランニング・バイクなどと組み合わせると、脂肪燃焼効果がさらに高まります。
目安としては、ピラティスを週2〜3回+有酸素を週2回が理想です。
3. 3ヶ月継続を目標にする
体は“3週間で慣れ、3ヶ月で変わる”といわれます。
まずは「週2〜3回を3ヶ月続ける」ことを最初のゴールに設定しましょう。
途中で体重の変化がなくても、姿勢・動き・呼吸の変化は確実に起こっています。
実際に得られる体の変化(例)
体幹の安定感が増す
骨盤の位置が整い、お腹まわりがスッキリ
背中の厚み・丸まりが改善し、姿勢美人に
太もも・ヒップのラインが引き締まる
呼吸が深くなり、疲れにくくなる
これらの変化は見た目だけでなく、内側から“整った体”を感じられるようになります。
まとめ:ピラティスは「痩せる運動」ではなく「痩せやすい体をつくる運動」
ピラティスは、脂肪を直接燃やす運動というよりも、“代謝を上げ、太りにくい体に整える”ためのメソッドです。
・激しい運動は苦手だけど体を変えたい
・姿勢を良くしてきれいに痩せたい
・リバウンドしない方法を探している
そんな方にこそ、ピラティスは最適なダイエット法といえるでしょう。
まずは週2回から、自分のペースで始めてみてください。
継続するうちに、鏡に映るシルエットも、呼吸の深さも、確実に変わっていくはずです。
参考文献・ソース一覧(根拠出典)
Curi VS et al., Effects of Pilates on Body Composition in Overweight and Obese Adults: A Meta-Analysis, J Phys Ther Sci. 2021 (PMC7992419)
Maturana AP et al., The Effect of a Weight-Loss Diet in Women Doing Reformer Pilates: A 12-Week Evaluation, ResearchGate, 2021
Lee HJ et al., The Effects of Pilates Exercise on Body Composition: Systematic Review, Nature Scientific Reports, 2025
Is Pilates Good for Weight Loss?, Medical News Today, 2024
Pilates for Weight Loss – Healthline Review of Evidence, Healthline, 2024
Open Public Health Journal – Effects of Pilates on Overweight Women, 2023
The Guardian – Is It True That Doing Pilates Can Lengthen Your Muscles?, 2025
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